京都精華大学表現研究機構マンガ文化研究所による中傷フォーラム
2004年4月、京都精華大学表現研究機構マンガ文化研究所は、『キャンディ・キャンディ』の原著作者である名木田恵子(水木杏子)には出席のオファーをせず、漫画版作画者・いがらしゆみこ のみを招いて「マンガは誰のものか!?」と題した「フォーラム」を主催した。
その欠席裁判もどきの「フォーラム」の席上で、漫画版作画者・いがらしゆみこ は、ブッキングより復刊された小説『キャンディ・キャンディ』に関して、 「原作者が、法律を、そういうふうに自分に有利に働いたことを最大限に利用して、勝手に本を出して、それは正義であると主張しているのも、すごく納得のいかないことなのです」
と非難。日本マンガ学会理事・長谷邦夫、牧野圭一らパネリストも、いがらしゆみこの主張に対して大変同情的だったとの報道がされている。
参照:安藤健二著『封印作品の謎2』(太田出版)p48 および『週刊SPA』扶桑社(2004年6/8号)竹熊健太郎によるレポート P104-105 明らかな言いがかり発言ではあるが、一応事実関係を記しておく。
『小説キャンディ・キャンディ』復刊交渉開始から初版完売まで
2001/01/11に復刊コムでリクエストが受付開始、2002/04/27に投票者数が100名を超え復刊交渉が開始された。
復刊ドットコムからのメール ◆ 水木杏子 2002-05-06 (Mon) 15:20:30
まず元々の出版社である講談社からの復刊について打診したが、いがらしゆみことのトラブルを懸念した講談社は却下。復刊ドットコム(当時は「株式会社ブッキング」)から新たに合本版が刊行されることになった。
<小説版キャンディ>については、もう出版する意志もなく、このまま埋もれてしまってもよい、と覚悟を決めていました。
復刊ドットコムからの告知
株式会社ブッキング 左田野 渉
2003年に水木杏子(名木田恵子)旧公式サイト上で公開された、『小説 キャンディ・キャンディ』復刊報告。
小説版の復刊について
復刊書籍1,500部の完売報告と印税の寄付先について。
その後のご報告 小説版の今後について
『小説キャンディ・キャンディ』の印税、ハードカバー版1,500部 275,500円全額は、既に熊本市神水の<慈愛園乳児・子供ホーム>に寄付された。
オンデマンド版の印税も全て療護施設に寄付されるとのこと。 参照外部リンク: 水木杏子(名木田恵子)旧公式サイト内「小説版の復刊について」 このように最高裁判決後も、復刊を特に希望する愛読者に向けた少部数刊行、印税は全額寄付という形での作品利用のみにとどめている水木杏子に対して、いがらしゆみこは「法律を、そういうふうに自分に有利に働いたことを最大限に利用して、勝手に本を出して」と非難し、いがらしと親しい漫画業界人が理事を務めていた日本マンガ学会もわざわざイベントを開催して原作者攻撃に加担、同学会理事の長谷邦夫は様々な場所で原作者は印税配分が不満で裁判を起こした、ゴネ得を狙っている等と吹聴し続けた。
復刊ドットコムからの告知
ブッキング 左田野 渉
名木田恵子(水木杏子)公認ファンサイト内掲示板でも復刊報告がなされていた。
キャンディの小説版について 投稿者:名木田恵子 投稿日: 9月27日(土)22時27分53秒 キャンディとアンソニーの幼い恋と「赤い実はじけた」
その後、(株)祥伝社が『小説キャンディ・キャンディ』の文庫化を口実に名木田氏に近づき、2010年にリライト版ハードカバー『小説 キャンディ・キャンディ FINAL STORY』上下巻が刊行された。
参考: 『小説キャンディ・キャンディFINAL STORY』に関する著者一問一答 ファイナルストーリー刊行当時に名木田恵子公認ファンサイト掲示板上で、『小説キャンディ・キャンディ』内に幼い初恋のメタファーとして「赤い実」という表現が使われていることを指摘され、名木田氏の代表作の一つ「赤い実はじけた」の原点が「キャンディ・キャンディ」であることを自身認めている。 新しい世界に向かって 投稿者:名木田恵子 投稿日:2011年 1月 3日(月)23時06分55秒
2003年ブッキング(復刊コム)版の該当箇所。
キャンディはアンソニーから、ばらのはちを受け取ると、ため息をついた。夢のようにあわいピンク色のつぼみ……。ひらくとき、花の中からどんな夢がこぼれ落ちてくるのだろう。
2010年祥伝社版の該当箇所
差し出された淡いピンクのばらの鉢を、キャンディはドキドキしながら受け取った。
ハーゲンダッツ・クリスピーサンド『赤い実はじけた 恋の味 ~マスカルポーネ&ベリー~』発売記念MV「はじめてのチュウ meets『赤い実はじけた』」(漫画:横槍メンゴ)
名木田恵子(水木杏子)の新書版『小説キャンディ・キャンディ』あとがき
最後に、講談社版『小説キャンディ・キャンディ : 永遠のラブストーリー』 から、名木田恵子(水木杏子)のあとがきを引用する。
(略) ファンレターのあつかいについて
名木田恵子公認ファンサイト掲示板において、「キャンディ・キャンディ」を含むファンレターの取扱いに関する裏話が明かされていたので、引用しておく。
みなさまのお手紙のこと、お詫びなど。 投稿者:名木田恵子 投稿日: 2月20日(水)21時54分06秒
参考:『キャンディ・キャンディ』の設定やキャラクターに関する原作者発言を含む記事
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