件のデザイン会社社長が確認したところ、いがらし氏は当該原稿を「手放した記憶は無い」と証言。
デザイン会社社長は件の原稿は盗難にあったと結論したが、 「ただただ悔しく、腹立たしい出来事ではありました。」 「(オークションで落札回収できず)なすすべなく、本当に悔しい思いをしました。」 「落札された方が、盗まれた作品であったという事実を知り、悲しむかもしれないと思い、公表を迷いました。」 「無力を悔やみくよくよしてても仕方なし!」 ……と一人で落ち込んで立ち直ってポジティブシンキング!を表明しておられるのですが、あなた個人の情緒の問題に矮小化して「いい話」に落とし込んでる場合じゃないでしょ。 原稿の盗難と無断売却が事実ならば、明らかな犯罪ですよ?漫画界をゆるがす大事じゃないですか。正式に盗難届を出した上で法的処置をとるべきでは?それとも手続き進行中?
『キャンディ・キャンディ』と『UFOロボグレンダイザー』DVDライセンス詐欺事件
この事件、ただの海賊版と違ってややこしいウラがある。
1978年、東映は丸紅とキャンディの二次使用に関する契約を結んだ。 当然、とっくの昔に期限切れした契約なのだが、その「契約」がめぐりめぐってDIGITAL Diffusion Video社のものとなったらしい。 正確にいうと、IDDH Distribution社の株主のBruno-Rene Huchezが元丸紅の社員で、自分で会社を起こす際に丸紅からチョッぱってきた契約書を大いに利用した……ということのようだ。 で、HuchezがIDDH をたたんでPoly Production 社を設立した際に各種の契約書をそのまま持ち込み、更にPoly Production 社がDIGITAL Diffusion Video社にその権利を許諾したという流れ。 DIGITAL Diffusion Video社が「善意の第三者」かどうかは知らないが、その契約書を振りかざして「海賊版じゃないもん」と正当性を主張したせいで、裁判がちょいとややこしくなった。 が、2006年5月12日に東映の訴えを認めた仮処分、9月にはベルサイユの控訴院がPoly Production 社とIDDH 社間の契約無効判決を下した。
その後に明らかになった情報によると、『キャンディ・キャンディ』と『グレンダイザー Goldorak』のフランス語版マスターテープを(物理的に)手に入れたのがBruno-Rene Huchezのもう一つの持ち株会社LSL Communication 。
ブツはあっても権利がないもんだから、権利書をデッチあげてうまい商売をしようとたくらんで暴走したっぽい? 上記一連の情報はフランスのGoldorakマニアのブログGoldorak-Gate (http://www.nonoche.com/goldogate/?cat=15)で仕入れた。フランス語の読解に間違いがあるかもしれないので、詳細は各自で原文を確認していただきたい。 (ここまで旧ブログ記事2006-12-12 23:17:00初稿) 台湾と韓国の「自称『キャンディ・キャンディ』正規版DVD」
『小甜甜』圓夢中文版的誕生…
重要なところだけかいつまんで訳すと、
最終的に、天は自ら助くる者を助くの例えの通り、制作チームはついにスペインから「Candy Candy」全115話のマスターおよび頒布権を入手しました。
更に、くだんのマスターテープは30年前のもので再ダビング用のオーディオトラックもなく、専門のポストプロダクション・スタジオにマスターの画像調整を依頼し、100万元以上の費用をつぎ込んで吹き替えとサントラを追加した、と苦労話を披露しているのだが……。
東映動画が講談社を介して取得していた『キャンディ・キャンディ』の放送権・ソフト化権は1995年に失効。未だ権利を保持していた時点で外国企業に許諾した放映権等も2001年までには全て失効しているはず。 「スペインの頒布権」は正規のものかもしれないが、どんな迂闊なライセンサーだってサブライセンスや譲渡の権利を海外のライセンシーに易々と与えたりはしないし、更新手続きナシで無期限継続のライセンス契約なんてある訳ない。 フランスのDIGITAL Diffusion Video社と同じような契約書転売詐欺かと思われるが、問題はPIM社がこの当時、台湾におけるいがらしゆみこの事業パートナーであり、このDVD発売がいがらし氏の知らぬうちに行われていたとは考えにくいということだ。 参考:台湾でいがらしゆみこ自ら『キャンディ・キャンディ』モドキ商売
台湾DVDの前年、韓国でも無許諾放映や正規版を称する海賊DVDの販売が大々的に行われているのだが、これも期限切れ契約書の転売で正当化しているのだろうか。
2007年の春から、韓国で許可なく<キャンディ・キャンディ>の不正アニメ放送が堂々と開始されてしまいました。
原著作者・水木杏子と東映アニメーションの関係は良好であり、水木は裁判当時も判決後も「アニメの再放送はいつでもOK」と公言している。
No.146 >おたずねのことなど
しかしながら、単純な海賊版ではなく、期限切れ契約書を悪用して正規版を装った版権詐欺がまかり通り、しかもそのDVDを出していたメーカーのうち一社が台湾におけるいがらし氏のビジネスパートナーとなると、到底うやむやにしたままのアニメ再放送などできるはずもない……というのは普通の判断力のある大人ならば理解できるはず。
自サイトの更新作業中にオークションサイトで過去に販売された偽版画や違法原画の出品をふとチェックしてみたところ、広島県在住の同一出品者(他の取引内容から判断して業者ではなく一般出品者と思われる)が偽版画&描きおろし原画4点を出品しておりまして。
具体的には
他の記事を飛ばして竹村氏のインタビューだけを読んでも、充分に事件の本質(法律/契約面、両者の感情面、漫画文化の側面共に)は理解できると思います。 …てゆーか、みんながこの本をちゃんと読んでくれれば、私がこんなサイトを運営しなくてすむんだよ! 『キャンディ・キャンディ』マーチャンダイズの契約関係
勘違いしている人が多いのですが、キャンディ事件は「昔は契約が曖昧だったから」起こったのではありません。
億単位のキャラクタービジネスだった『キャンディ・キャンディ』は、講談社が版権管理をしていた時代から、口約束ではなく成文の契約書が作成されて、きっちりした管理がされていたんですよ。
『キャンディ・キャンディ』復活の条件
それと、本書を読めばわかるけど、
アニメ版キャンディ復活の条件としては
漫画の出版に関しては、
……以上から、キャンディ復活に必要な最低条件は
ここまで拗れた以上、謝りさえすれば万事解決するとも思えませんが、いがらし側から水木への謝罪表明がなければ、講談社にしろ誰にしろ、仲裁のしようがないんですよ。
「版権ゴロに騙されていました」「悪徳弁護士に洗脳されていました」でもいい、心の中で舌打ちしていてもいい、いがらしが形だけでも水木に対する謝罪の意を示せば、周囲もアニメのソフト化や放映に向けて何らかのアクションをとれる。 とりあえずハードルの低いアニメ再放送を実現し、いがらし・水木・東映・講談社の権利関係を連載当時に戻す。 漫画の復刊は難しいけれど、アニメ復活に伴い水木氏と講談社・東映が接触する機会も多くなるであろうから、その機会に辛抱強く説得を重ねる。 問題の解決には、この正攻法ひとつしかないんです。抜け道も奇策も存在しない。 法の抜け道を探して無理やり出版や再放映をしようとすれば、更に解決は遠ざかるでしょう。 事件の経緯自体は複雑だけど、解決法については疑問の余地なくシンプルなんですよ。 原作者も講談社も東映も、それぞれの立場でやるべき事は既に全てやっている。 いわば、「ボールはいがらし氏に渡されている」んです。 (そして原作者も講談社もこれだけはっきりと公式に意見を表明しているのに、何故、一部の人間は、それを無視して「原作者が何を考えているのかわからない」「講談社は事態の解決の為に何もしていない」と吹聴して回るのか) あと、時々「どちらかが死ねば」と不謹慎な事を言う人がいますが、仮に作画者か原作者のどちらかが物故したとしても「いがらし側」から「水木側」への謝罪は必須。 いがらし側親族はキャンディの不法ビジネスに関与しているし、水木側の親族は裁判当時もその後も、いがらし側から中傷デマを流されて被害を受けているので。
封印作品の謎 少年・少女マンガ編
著者: 安藤健二 (略) ――では、『キャンディ・キャンディ』が出たところで、そのお話を。まず、原作つきですとどんなプロセスで展開しますか。
↑企画は編集部で、自分に話が持ち込まれた時には既に原作をつけることが決まっていた、と語ってますね。
水木氏の証言や『封印作品の謎』に掲載されている講談社の担当編集者の陳述内容と一致しています。 それが契約違反で訴えられた途端に 「キャンディ・キャンディ」は私と担当の編集者との間で企画が生まれ、後にストーリー補強のため原作者を選ぶ形で制作を開始した作品
などという主張を始めるわけです。しかも、相手によって、時期によって、
「水木はうちのプロダクションで時代考証関係の資料整理をやってただけの人間。手違いで原作者として表記された」 「水木は『時代考証はよくわからないから、後はおゆみよろしくね!』と丸投げだった」 「水木の原作はペラ一枚に走り書きしただけの到底原作などと呼べないシロモノだった」 「水木の原作は無闇に長くて、私が大幅に改編して構成し直さなければ使い物にならなかった」 …と発言内容がコロッコロ変わる。 最終回にいたっては、周囲の人間には「最終回の内容はとっくの昔に決めていた。原作は見ずに書いた」と言いながら、裁判所に「水木が原作を書いていない証拠品」として最終回の原作原稿に「ここはカット。ここは改変して使用。ここは使用」とマーカーで注釈を入れて提出。 こんな調子のいがらし氏が吹聴している話を鵜呑みに出来る人の精神構造ってのも、良くわかんないよね。 『まんが原作者インタビューズ(同文書院1999年)』より水木杏子の発言
ご参考までに、伊藤彩子・著『まんが原作者インタビューズ―ヒットストーリーはこう創られる!』同文書院 (1999/10)より、水木杏子が語る「キャンディ・キャンディ」の連載企画の発端について。
――『キャンディ』っていうのは、いがらしさんが連載をやることが決まってて、編集サイドから企画が出されて、じゃあ原作者は誰にしようってことで水木さんにお話がきたんですか。
連載中の漫画家との打ち合わせについて。
――原稿を編集者に渡したら、もう雑誌に載るまで見ないっていう感じだったんですか?
こういう手順で作られていった事実を、いがらし氏と親しい漫画業界人は「少女マンガの女王いがらしサンに、新人だった水木さんは当初言われるままに書かされてきた」などと意図的に歪曲して流布してきたわけです。
教保生命保険株式会社のCM
「韓国CMでの主題歌の使用について」(略)
※ 正確にいうと、韓国側の登録者は「韓国版の編曲・訳詞部分に関する権利は有していても、原曲の作曲・作詞に関する権利は有していない」「原曲の作詞・作曲者としての誤った著作権登録を抹消してもらった」ですね。
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