高級オリジナル現代版画?
旧記事では、漫画家のボッタクリ複製画商売のパイオニア、いがらしゆみこ先生の『キャンディ・キャンディ』偽版画を 「ジクレ」と書いていたのですが、お詫びして訂正いたします。
単なるオフセット印刷でした。 作画者・いがらしゆみこによる横領の被害者、原著作者・水木杏子の公式掲示板発言によると、 深夜のお答え ◆ 水木杏子 1999-10-02 (Sat) 00:47:57 ◆ 水木杏子 1999-12-02 (Thu) 18:59:33 和解について また願う事 ◆ 水木杏子 1999-12-09 (Thu) 19:01:02
…あれかなぁ。ウォーターレスで解像度の高い美術印刷用のオフセット?
だとしても、製造原価が二束三文なのに違いはないんだけど。 これをフジサンケイアドワーク(現・クオラス)は 最新最高の技術を駆使した、最高級版画
とブチあげて、通販やイベントで売りさばいていたわけです。
尚、産経新聞に何度も掲載された通販広告には、 高級オリジナル現代版画
とあります。
芸術作品、ねぇ…。 "Lithographic reproduction"という英語表記が、なんとも微妙ですな。 外部参考サイト:違法複製原画被害者の声(キャンディ・キャンディ虐待問題内)
この額装偽版画、裏面を水貼りテープで封印した上に、いがらしゆみこのサインを入れてあるのですね。
ファン心理として、わざわざテープをカッターで切ってまで中の画を直接見ようとはしないであろう、という計算に基づいた仕様。 外部参考サイト:複製原画の額について(キャンディ・キャンディ虐待問題内) フジサンケイアドワーク(現・クオラス)による(極めて疑わしい)にせ版画販売情報開示
書類作成: 板倉由明(フジサンケイアドワーク)
フジサンケイアドワークの<にせ版画>売り上げリスト ◆ 水木杏子 2000-02-19 (Sat) 15:45:58
※「高級版画」「リトグラフ」「ミックスドメディア」などという名称で販売された『キャンディ・キャンディ』の額装オフセット印刷は、後々ネットオークションなどに出品されたものから判断して通常ナンバー以外にも番外エディションが多量に存在する為、総刷り枚数は現在も判明していない。
中古市場ではこれらキャンディ・キャンディ偽版画のAPエディションで分母50のナンバー入り・直筆サイン有が見つかっているが、それらとは別にAPのみでナンバー無し・直筆サイン有の品も少なからぬ量が流通している。 参考:偽版画&違法原画販売~20年目でも新ネタ 日本マンガ学会による絵画商法擁護
と、このようなボッタクリ商法を原著作者・水木杏子に無断で行ったいがらしゆみこ大先生とフジアドは、当然のように原著作者から訴えられ、最高裁まで争って全面敗訴。
ぼったくり偽版画は販売差し止め措置をうけました。正義は勝つ。 …にもかかわらず、この判決が不服な皆さんがいるのですね。 その団体の名は「日本マンガ学会」 。
日本マンガ学会著作権部会は、2005年10月13日の第3回著作権部会の席上で、
マンガ家がストーリー作家の合意なしに、商品化の許諾を与えて製作したグッズの販売が不能となって損害を蒙った業者は、利害関係人であるから、 これらのグッズの販売を許諾(合意)しない作家を訴えることが、現状打破の一つの突破口にならないか。
つまり、詐欺まがいのボッタクリ商売を勝手に行った挙句、原著作者・水木杏子から販売差し止め措置を喰らって偽版画を売れなくなった業者は 可哀相な被害者だから、マンガ学会のバックアップにより邪悪な加害者・水木杏子に対する訴訟を起こし、販売許可をせまろう!
…という大変アグレッシブな議論が交わされたのだそうです。すごいや! 外部参考サイト:第3回著作権部会(日本マンガ学会公式サイト内)
しかし日本マンガ学会の見解では、この判決は「理不尽」なんだそうですよ。すごいや! 日本マンガ学会は、2004年4月京都精華大学での著作権研究フォーラムでも、原著作者・水木杏子には出席のオファーもせずに、作画者・いがらしゆみこのみを招いて「最高裁判決は不条理」と悲劇のヒロインあつかいで持ち上げておりました。 国際日本文化研究センター助教授・山田奨治の見解
更に、このフォーラムに出席した国際日本文化研究センター助教授・山田奨治先生の著書『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』(2011年9月刊行)によると、 原著作者が法に訴えてまで販売差し止めをしなければならなかった"真の理由はわからない"んだそうですよ。なんと素晴らしい日本の知性!!
外部参考サイト: mociの日記 山田奨治「日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか」人文書院 (スラッシュドット・ジャパン内) 参考: キャンディ・キャンディ事件最高裁判決後のできごと ***さん、フジサンケイアドワークの偽版画を購入なさった方たちに ◆ 水木杏子 2000-12-27 (Wed) 00:10:13 原画について考えている事 ◆ 水木杏子 1999-09-23 (Thu) 22:26:21
ほんの少しでも資料をあたれば虚偽情報であるとすぐに判明するような事ではありますが、たまたま当時問題のプリクラが設置されていたゲームセンターの特集記事が掲載された雑誌(『コミック・ゴン! 第1号 』1997年ミリオン出版刊)を入手したので、公益性を考慮してこのページで紹介する事にします。
(「キャンディ・キャンディ事件」最高裁判決は著作権関連事件について議論する際の重要な基準のひとつとなっており、 資料の公開は版権ビジネスに携わる多くの人々にとって公益性があるとの判断により、当ページ内の画像は「報道目的の引用」としてアップしております) 東京ガリバー松戸店
その為、「東京ガリバー松戸店」には、バンプレのゲームやプライズマシンの新作が他店に先行して設置されていたのです。要するに「ロケテ」の実施店になっていた訳。
マニアの間では有名な店舗であり、私も当時ポケモンのプライズマシン目当てにはるばる千葉まで電車で訪れた事が何度かありました。 プリント倶楽部をはじめとした各社の写真シール機も同様であり、人気ギャルゲーのフレームなどが設置されると普段は新宿や秋葉原のゲーセン常連をやってる面々が松戸まで遠征に来るという光景も見られました。 無論、プリクラの利用は有料です。設置期間中にゲームセンターを訪れた客ならば誰もが利用できます。 全国展開の参考にする為のデータ取りを目的とした先行設置なので「テスト」「試作機」という表現も間違いとは言えませんが、立派な商行為です。 「イベント限定」「バンプレストのショールームに実験的に設置」は明らかな虚偽、ミスリードでしょう。 (たとえ無料だろうと権利者に無断でキャラクター商品を作成して不特定多数の客に提供するのは違法行為ですが) |
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