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『封印作品の謎 少年・少女マンガ編(安藤健二)』 電子書籍化

4/19/2018

 
『封印作品の謎 少年・少女マンガ編』 安藤健二 (著)
01
安藤健二 (著)『封印作品の謎 少年・少女マンガ編 』(彩図社文庫)が電子書籍化されました。

主だった電子書籍サイトで配信中なので、キャンディ事件に興味のある方は、是非この機会にご一読を。

本の価値を下げないように、私のサイトでは最小限の引用に留めてありますが、第三者の憶測などではない、講談社の編集者や事件当時を知る漫画業界人の貴重な証言が満載です。
具体的には

  • 講談社の『キャンディ・キャンディ』初代担当編集者・清水満郎氏が地裁に提出した『キャンディ・キャンディ』製作過程に関する詳細な陳述書の要約
  • 講談社版権事業推進部長・新藤征夫氏が地裁に提出した講談社の原作付き漫画の契約と版権管理についての陳述の要約
  • 事件当時には版権管理部に所属しており、元々いがらしゆみこと親しかった講談社社史編纂室部長・竹村好史氏へのインタビュー
  • 訴訟になるより前に いがらしゆみこに水木杏子への謝罪を促して両者の仲裁を試みた元マンガジャパン事務局長・原孝夫の証言(及び、地裁判決前にいがらしに水木と和解するように説得した友人漫画家の証言)

他の記事を飛ばして竹村氏のインタビューだけを読んでも、充分に事件の本質(法律/契約面、両者の感情面、漫画文化の側面共に)は理解できると思います。

…てゆーか、みんながこの本をちゃんと読んでくれれば、私がこんなサイトを運営しなくてすむんだよ!

02

『キャンディ・キャンディ』マーチャンダイズの契約関係

勘違いしている人が多いのですが、キャンディ事件は「昔は契約が曖昧だったから」起こったのではありません。
億単位のキャラクタービジネスだった『キャンディ・キャンディ』は、講談社が版権管理をしていた時代から、口約束ではなく成文の契約書が作成されて、きっちりした管理がされていたんですよ。

  • キャンディに関する版権管理契約は、昭和51年(1976年)4月から、いがらし-講談社、水木-講談社間でそれぞれ契約書が取り交わされ、以降三年ごとに契約更新されて続いていた。(漫画の連載開始は1975年4月号から、アニメの放映開始は1976年10月から)
  • 更に昭和54年に大阪で起きた「キャンディ・キャンディ」にせTシャツ事件裁判の際に、版権管理担当の出版社、原作者、漫画家、アニメ会社の契約関係は厳密に再確認されている。
  • そして講談社との管理契約を切った後も、水木といがらしは「キャンディの利用には両者の許諾が必要」という内容の契約書を交わしている。
  • その契約は講談社時代よりもいがらしに有利な内容だったにもかかわらず、いがらしは契約に違反して水木に無断でキャラクタービジネスを行い、多額の金銭を着服した。(水木が企画に反対する・しない以前に、いがらしは水木に何も知らせず、初めから蚊帳の外においてビジネスを行なった。しかも悪質なエウリアン/絵画商法まで行なった)

03

『キャンディ・キャンディ』復活の条件

それと、本書を読めばわかるけど、
アニメ版キャンディ復活の条件としては
  • 水木・いがらし共にアニメの再放送やソフト化には反対していない(むしろ積極的に望んでいる)
  • 東映と水木の間には何の問題もない
  • 問題はいがらしゆみこが行なった東映の商標権侵害と、アジア圏における無断DVD化等への関与疑惑


漫画の出版に関しては、
  • 講談社コミックスの絶版処置は水木の独断ではなく、水木と講談社が相談の上で決定された
  • 水木は「契約をいったん白紙に戻すが、いつか事が解決すればもう一度契約する」と公式に発言している
  • 講談社と水木の間には何の問題もない
  • いがらしの一連のダーティビジネスは講談社との契約を切ってから行なわれたので、講談社が直接的に権利侵害された訳ではない
  • 竹村氏のインタビューによると、講談社は再び漫画を出版したい意向はあるが、それにはまず、いがらしゆみこが水木杏子に謝罪をしない事には動けないという立場

……以上から、キャンディ復活に必要な最低条件は
  • いがらしゆみこが水木杏子に謝罪する
  • いがらしゆみこが東映に謝罪する(&アジアでのダーティービジネスに関する釈明)

04
ここまで拗れた以上、謝りさえすれば万事解決するとも思えませんが、いがらし側から水木への謝罪表明がなければ、講談社にしろ誰にしろ、仲裁のしようがないんですよ。

「版権ゴロに騙されていました」「悪徳弁護士に洗脳されていました」でもいい、心の中で舌打ちしていてもいい、いがらしが形だけでも水木に対する謝罪の意を示せば、周囲もアニメのソフト化や放映に向けて何らかのアクションをとれる。

とりあえずハードルの低いアニメ再放送を実現し、いがらし・水木・東映・講談社の権利関係を連載当時に戻す。
漫画の復刊は難しいけれど、アニメ復活に伴い水木氏と講談社・東映が接触する機会も多くなるであろうから、その機会に辛抱強く説得を重ねる。

問題の解決には、この正攻法ひとつしかないんです。抜け道も奇策も存在しない。
法の抜け道を探して無理やり出版や再放映をしようとすれば、更に解決は遠ざかるでしょう。


事件の経緯自体は複雑だけど、解決法については疑問の余地なくシンプルなんですよ。
原作者も講談社も東映も、それぞれの立場でやるべき事は既に全てやっている。
いわば、「ボールはいがらし氏に渡されている」んです。


(そして原作者も講談社もこれだけはっきりと公式に意見を表明しているのに、何故、一部の人間は、それを無視して「原作者が何を考えているのかわからない」「講談社は事態の解決の為に何もしていない」と吹聴して回るのか)

あと、時々「どちらかが死ねば」と不謹慎な事を言う人がいますが、仮に作画者か原作者のどちらかが物故したとしても「いがらし側」から「水木側」への謝罪は必須。
いがらし側親族はキャンディの不法ビジネスに関与しているし、水木側の親族は裁判当時もその後も、いがらし側から中傷デマを流されて被害を受けているので。
封印作品の謎 少年・少女マンガ編
著者: 安藤健二
(略)
今回(2005年秋)『封印作品の謎』の著者、安藤健二氏の取材を受けました。その際、再度深く考えました。そして、簡単に<封印>という言葉を使った自分を恥じています。

確かに今まではこれも<封印>の範疇かもしれないと甘んじていましたが、この言葉を使うと、あたかも原作者、水木の意志で封印されてしまった、と受け取られることを取材を受けて強く感じ、冷水を浴びされた思いがしました。
 
この事件は、水木サイドの初動ミスによって<詐欺事件>が<著作権侵害事件>にすりかえられてしまいました。あたかも<著作権問題>について論議されたような結果を招いてしまい自らの愚かさとはいえ残念でたまりません。

また、その問題を正当化せんといがらし氏の弁護士、取り巻きの漫画家や漫画評論家たちが画策しています。

この漫画作品はそういった人たち(この事件を検証しようともしない、また作品を本当に愛しているともいえない)によっていっそう暗闇に追いやられているのであって、<封印>とは全く意味が違うことを少しでも理解していただけたら、と願っています。

水木杏子公式サイト内「キャンディ事件の現状について」より

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