ほんの少しでも資料をあたれば虚偽情報であるとすぐに判明するような事ではありますが、たまたま当時問題のプリクラが設置されていたゲームセンターの特集記事が掲載された雑誌(『コミック・ゴン! 第1号 』1997年ミリオン出版刊)を入手したので、公益性を考慮してこのページで紹介する事にします。
(「キャンディ・キャンディ事件」最高裁判決は著作権関連事件について議論する際の重要な基準のひとつとなっており、 資料の公開は版権ビジネスに携わる多くの人々にとって公益性があるとの判断により、当ページ内の画像は「報道目的の引用」としてアップしております) 東京ガリバー松戸店
その為、「東京ガリバー松戸店」には、バンプレのゲームやプライズマシンの新作が他店に先行して設置されていたのです。要するに「ロケテ」の実施店になっていた訳。
マニアの間では有名な店舗であり、私も当時ポケモンのプライズマシン目当てにはるばる千葉まで電車で訪れた事が何度かありました。 プリント倶楽部をはじめとした各社の写真シール機も同様であり、人気ギャルゲーのフレームなどが設置されると普段は新宿や秋葉原のゲーセン常連をやってる面々が松戸まで遠征に来るという光景も見られました。 無論、プリクラの利用は有料です。設置期間中にゲームセンターを訪れた客ならば誰もが利用できます。 全国展開の参考にする為のデータ取りを目的とした先行設置なので「テスト」「試作機」という表現も間違いとは言えませんが、立派な商行為です。 「イベント限定」「バンプレストのショールームに実験的に設置」は明らかな虚偽、ミスリードでしょう。 (たとえ無料だろうと権利者に無断でキャラクター商品を作成して不特定多数の客に提供するのは違法行為ですが) 『コミック・ゴン! 創刊号 』の漫画フレームプリクラ特集
先程から貼っている画像は、全て『コミック・ゴン! 第1号』(発行日1997年11月5日 発売元・大洋図書 発行所・ミリオン出版)P142-143の「マンガ・アニメ ゲームキャラ プリクラ大好き!」という特集記事から取ったもの。
「小島あい」とCOMIC GON!取材陣2名が松戸の東京ガリバーを訪れて同店舗で稼働中の写真シール機で撮り集めた夥しい画像が掲載されています。 別にメディア取材者限定などではなく、ゲーセンを訪れた一般客と同じく普通に利用したものです。
ちなみに写真シール機は様々な会社が製作していますが、同記事内のリストを見るとキャンディの機種は元祖セガ・アトラスの「プリント倶楽部」との事。 ただしキャラクターの版権処理はバンプレストの役目なのでセガ・アトラスは巻き込まれた「善意の第三者」でしょう。
リストに列記されている他タイトルは「石ノ森章太郎」「(あらいぐま)ラスカル」「フランダースの犬」「(あしたの)ジョー」…と、 当時の社長がいがらしゆみこ氏と同郷でアニメ「キャンディ・キャンディ」続編商売を目論んでいた日本アニメーション作品や、 「漫画界の駆け込み寺」を標榜して会員に法の抜け道指南を行なっていた、当時いがらしゆみこ氏が世話人を務めていた「まんがじゃぱん」所属作家の作品が目立ちます。 いがらしゆみこ氏の釈明
ともかくも、いがらしゆみこ氏の公式発言から引用してみましょう。
プリクラの話を、テストケースとして私は承諾しました。あくまでテストケースですから、ギャラも発生しません。
これについては水木杏子(名木田恵子)氏が公式サイトで反論しているので、私が論評するよりも、そちらを直接参照したほうがいいでしょう。
プリクラの件も、<業者が勝手に>製造してしまったならばいがらし氏の主張通りその業者<バンプレスト>に責任があるでしょう。しかし、この件は
※文中でキャンディコーポレーション香港代表として言及されている石川正志は香港の高級スーパーマーケットチェーンC!ty'superの創業者。いがらし氏のこの当時のマネージャーは山本昌子。
<水木は「知っていたら断らなかったのに、おゆみは利益を独り占めしようとしている」と電話で一方的に責め立て、プリクラを中止に追い込み弁護士をたてて訴えてきたのです>(声明文)
以下、「試作機」「ショールームに実験的に設置」「テストケース」「商品サンプル」「企画段階」と連呼しまくる いがらしゆみこ氏の主張。
私は試作機なら・・・と一台作ってもらうことにしました。 私が水木さんに最初にこの話をしなかったのは、水木さんからゲーム関係は嫌いであるとずっと聞かされていたので、 まずは試作機を作ってもらってその評判がとてもよかったという実績がなければ絶対にプリクラは許諾してくれないと思ったからです。 試作機は三台作られ、評判を確認するためにバンプレストのショールームに実験的に設置されました。 試作機が三台になったことについては私も知らず後で聞きました。
※名木田恵子(水木杏子)氏は児童書『赤い実はじけた』収録短編の中で『サクラ大戦』のゲームソフトについて触れ、自身の旧公式サイト掲示板に同作のファンであり神崎すみれ引退記念公演を観劇に行ったと書き込みしていた(2002-06-07 (Fri) 01:06:43)のでもわかるように、 特段ゲーム文化に否定的な考えは持っていません。
いがらしゆみこ氏が何をもって"水木さんからゲーム関係は嫌いであるとずっと聞かされていた"と主張しているのかわかりませんが、 可能性として考えられるのは、未だ講談社との契約が続いていた時期、いがらしゆみこ氏が雑談中に 「パチンコ/パチスロにキャラクター使用権を許諾すると莫大なギャランティがもらえる(大意)」と発言した際に、名木田氏が作品イメージを傷つけるようなビジネスには賛成できないと何度か難色を示した件でしょうか? 1997年3月 バンプレストから東映・フジサンケイアドワークを通してプリクラの依頼。テストケース1台を許可し、5月にショールームのみでテスト設置。 このプリクラは私が制作会社に対して試作品として1台だけ制作する事を許可し(実際には私の知らない所で3台作られていました。) 同社のショールームでテスト設置されていたものに過ぎません。
それ以前に、 「キャンディ・キャンディの作品を利用するに際しては、水木杏子の同意が必要である」という内容の契約書を交わしておきながら、 いがらしゆみこ氏が一存で企業と契約を結び、製品化の許諾をした以上は、契約違反で訴えられても当然なのですが。
当サイト内の関連記事: 東映アニメ版『キャンディ・キャンディ』お蔵入りの現状 バンプレストの災難 「訴えたりしないで、話しあいはできなかったのか?」
いがらし氏の友人漫画家がネット上で「原作者はなんの話し合いもなくいきなり訴えた」というデマを流布しているので、水木杏子旧公式サイト掲示板より裁判当時の原作者発言を引用しておきます。
訴えた理由について・・・ ◆ 水木杏子 1999-03-21 (Sun) 13:31:50 コメントの受け付けは終了しました。
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