『キャンディ・キャンディ』という漫画作品の出版権が裁判で問題になったことはありません。
本裁判にあたるのがフジサンケイアドワークによる絵画商法をやめさせる為の差し止め請求なのですが、「(版画と称する印刷物の)出版などの差し止め」の「出版差し止め」という字面で「(講談社の)漫画本の出版差し止め」と誤解した人が結構いるっぽいのは困った処。 原画を元に複製を印刷して販売するから複製画も「出版物」なのですよ。 (※海外における違法出版は別問題) 講談社版単行本
水木といがらしが講談社との二次使用管理委託契約を切った(1995年春)後も、出版契約自体は依然として残っており、裁判中も講談社KCコミックス版『キャンディ・キャンディ』は品切れになる度に増刷を重ねていた。
原作者・水木杏子はアニメの再放送については当時も現在も「いつでもOK」と公言しており、漫画版についても可能ならば存続させたいという意向だった。 しかし最高裁判決(2001年10月25日)を受けて作画者・いがらしゆみこが公表した声明文「いがらしゆみこからみなさまへ」を見て、漫画家が原作否定の姿勢を表明している状態で作品の出版は不可能と判断。講談社に「事件が沈静化するまで増刷休止」を申し入れた。 参考:キャンディ・キャンディ虐待問題内 05 いがらし声明文に対する抗議文 KCコミックス<休眠>のお知らせ ◆ 水木杏子 2001-11-25 (Sun) 21:48:45
当初の申し入れは「問題が解決するまで増刷の休止」だったが、講談社側の意向により「出版契約解除」となった。
KCコミックスの<契約解除>について ◆ 水木杏子 2001-12-16 (Sun) 18:28:58
2002年1月末をもって水木杏子と講談社間の『キャンディ・キャンディ』出版契約終了。
講談社KCコミックス『キャンディ・キャンディ』最後の増刷は2001年12月初旬。 今年もお世話になりました・・よいお年を! ◆ 水木杏子 2001-12-31 (Mon) 18:36:43
KCコミックス全9巻以外の講談社版各バージョン(1988年刊行の横型愛蔵版、1992年刊行のハードカバー)は、係争以前から増刷はされていないはず。どんな作品であれ判型の大きな特装版というのはそうそう何度も増刷はしないものなので、係争とは無関係。
ちなみに幼年誌なかよし増刊『るんるん』には1993年から毎号キャンディの漫画が別冊付録としてついていたが、これはハードカバー愛蔵版刊行や1992年東映アニメフェアの単発映画、小説キャンディの新書版での復刊と同じく、キャンディ世代の母親を持つ娘を狙ったリバイバル企画の観測気球のようなものだった。 この時期の市場の反応は芳しくなく、東映と講談社はキャンディのリメイクを一旦棚上げした。尚、この頃に水木杏子は内々に「作画者を変更した『キャンディ・キャンディ』リメイク版漫画連載企画」を講談社から打診されて断っている(作画者への友情と自分自身の思い入れ、ファンの反発などが理由)。 中央公論社版
中央公論社から1991年に愛蔵版全2巻、 1995 年に文庫版全6巻が刊行された。尚、この「中央公論社」は旧法人の株式会社中央公論社である。念の為。
いがらしが水木に懇願して講談社との管理契約を切らせた際に使った口実が「講談社から文庫化してもキャンディしか出ないが、中公からならいがらしの旧作を全集化してくれるから」だったのでもわかる通り、いがらし(及びまんがじゃぱん)との癒着が激しく、後々『ジョージィ!』海外出版関連で数々の不祥事が発覚する。 ただし1999年の『キャンディ・キャンディ』出版契約解除については中公に落ち度はない。 中公文庫コミックス版ついて(水木杏子からのお詫び状)
この時、いがらし氏は講談社KCコミックスの契約解除をチラつかせて恫喝したようで、1999年初頭の時点では一時的に「重版未定」状態になっていた。
KCについてよいお知らせ ◆ 水木杏子 1999-04-13 (Tue) 16:22:32
中公については1999年10月に『ジョージィ!』海外不正出版が発覚したが、旧中公は経営難により読売グループに売り払われ1999年2月に再編済み。よって旧中公の不始末の尻拭いをしたのは中央公論新社である。旧中公がキャンディ関連でも不正を行っていたかどうかは藪の中。
ジョージィの海外版の著作権侵害について ◆ 水木杏子 1999-10-16 (Sat) 01:31:46 まんがじゃぱんのマンガCD-ROM倶楽部
CDROM、その他について ◆ 水木杏子 2000-12-07 (Thu) 20:53:13 ポプラ社の絵本
1992年、未だ講談社がキャンディの二次使用管理をしていた時期にポプラ社から出版された、絵本キャンディ・キャンディ『キャンディと白い子馬』『キャンディと花のぼうし』『キャンディと枯葉色のやかた』というのもあるが、これはトラブルで絶版する以前に自然に市場から消えて行ってそのままという感じ。
どちらにせよ再刊は不可能。 ちなみに後々いがらしゆみこが無断キャラクタービジネスを行った際、ジグソーパズルの絵柄などには、この「絵本キャンディ・キャンディ」の絵も流用されていた。 キャンディの続編について ◆ 水木杏子 1999-07-30 (Fri) 18:14:01 海外出版(簡易データ)
とりあえず原著作者発言のピックアップのみ。後日加筆するかも。
キャンディの英語版の不思議 ◆ Kyoko Mizuki 1999-07-17 (Sat) 13:36:46
"事件の発端となった<香港版>"というのは、いがらしゆみこの元アシスタント村中志津枝(鈴賀レニ)が当時勤めていた玉皇朝出版国際版権部と、いがらしゆみこがアジア圏でのビジネス用に立ち上げたキャンディコーポレーション(香港代表:石川正志、日本代表:山本昌子)の間で原著作者の知らぬうちに契約が結ばれた『小甜甜』全9巻の事。
無断契約が発覚後、キャンディコーポレーションの契約は破棄され、1997年6月に原著作者と玉皇朝の間で契約が結ばれたが、同年、次々といがらし側の不正が発覚、翌年1998年1月には裁判開始。1999年6月30日に契約解除されたが、玉皇朝が結局どれだけ刷ったかも定かでない。 イタリア版について ◆ 水木杏子 1999-08-04 (Wed) 13:10:02
イタリアでは講談社や東映の目が届かないのをいいことに、勝手にアニメのラストを改変してテリイとの復縁展開にしたり、続編の漫画を出したりしていたらしい。
2004年時点での原著作者・水木杏子の公式見解を引用しておく。
7年間に及んだこの事件は、<著作権問題>にすりかわってしまいましたが、わたしは<詐欺>相当の事件だったと判断しております。 コメントの受け付けは終了しました。
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