2003年11月に名木田恵子(水木杏子)公認ファンサイト「妖精村」掲示板上で、とある「キャンディ・キャンディ」ファンフィクサイトをめぐって議論があった。
ファンフィクションとリンクについて 投稿者:名木田恵子 投稿日:11月 4日(火)02時34分54秒
※ 事件の登場人物と関係サイト
名木田恵子氏、春野さくら氏、私(イソノ武威)以外は仮名とする。 各ファンサイトが「公認」されるに至った事情については割愛するが、本稿を理解するには「楽しくファン活動をする場としての公認であり、ファンフィクの内容を公認したわけではない」ということだけ認識しておけば足りる。 尚、「妖精村」は2018年末に活動終了。2020年現在も現役の名木田恵子公認ファンサイトはMisaki氏のCANDY CANDY資料集サイト(2001年9月の公認当初はファンフィクサイトだった)のみである。
ファン活動と著作権 投稿者:イソノ武威 投稿日:11月 1日(土)12時39分45秒
補足しておくが、法律用語の「二次的著作物」と同人業界用語(俗語・ジャーゴンの類)の「二次創作」は似て異なるものなので混同しないように。時折、「キャンディ裁判の判決のせいで、原作付き漫画はみんな二次創作あつかいになってしまった!そんなのおかしい!」などという人がいるので念のため。
オタク活動の常識からすると「ファンサイトのいざこざを公式に持ち込む」「他のファンサイトの問題を別のファンサイトに持ち込む」は絶対のタブーであるし、「推しカプ違い、解釈違い」は敬して遠ざけるのが掟。
そして検索除けもしてない、サイト名に堂々と作品名・キャラ名をかかげているファンサイト、ましてや原作者公認サイトの掲示板に海賊版の購入法を書き込んだり、違法アップロードサイトへのリンクを貼るのは言語道断、それを放置する管理人は「頭わいてんのか」と叱責されても仕方のない状況なので、私もこの点について指摘せざるをえなかったのだが……。 私の書き込みに対して善良なる「妖精村」掲示板常連から「AAAAAさんの掲示板常連も悪気があってやっているのではないのでは」「確かにAAAAAさんのサイトには注意書きがありますが、作品ファンとしてつい見てしまい、心配になってメールを送ったBBBBBさんを責めるのはどうなんでしょう」というようなレスがつき、それを受けて書いたのが以下の投稿。 自由と自律 投稿者:イソノ武威 投稿日:11月 3日(月)20時29分50秒
この間にも「妖精村」管理人、【AAAAA】氏、名木田氏の三者間でやりとりがあり、最終的に「AAAAAサイトの公認取り消し、名木田公式サイトおよび妖精村とAAAAAファンフィクサイト間の相互リンク解除」という結論に達し、11月4日夜に三者と【BBBBB】氏からのコメントが投稿された。名木田氏の投稿はこのページトップに引用した通り。
AAAAAサイト掲示板でも告知がなされ、感想ボードの「公式の続編として出版してほしいウンヌン」という書き込みには遅ればせながらも「それは不可能です」という管理人コメントがつけられた。 これで事態は収束かと思い、私は補足と掲示板の雰囲気をもどすための投稿を行った。 ハッピーエンド? 投稿者:イソノ武威 投稿日:11月 6日(木)21時19分50秒
上記はあくまでアジア圏におけるアニメの許諾済みソフト販売が少なく海賊版が横行していた2003年当時の状況(YouTubeもまだ存在していない頃)を踏まえた話なので念のため。
これで円満解決かと思いきや、この顛末を不服とするAAAAAサイト常連が同日22時47分01秒「妖精村」掲示板に「問題点はメールで指摘すればいいのに晒しものにするなんて酷い」という趣旨の書き込みをする。
それに対する「妖精村」管理人の回答が以下の引用。 <疑問>に対する、回答です~① 投稿者:管理人さくら 投稿日:11月 7日(金)02時52分00秒 <疑問>に対する、回答です~② 投稿者:管理人さくら 投稿日:11月 7日(金)02時50分20秒
私(イソノ武威)が最初のレスをつけた段階では見逃していたのだが、上記の投稿を見て更にディグってみたところ、AAAAAサイト感想ボードでは騒動の半年前に「多くのファンにこの素晴らしい小説の存在を知らせたい・・・なんとか出版できないでしょうか」といった類の書き込みが放置されている状態に対して、丁寧な言葉づかいで問題点を指摘し善処を求める発言があった。
しかし管理人はそれに対し情緒的な返答をするのみで具体的な対処はせず、むしろこれが呼び水になったかのように、以後も「これはぜひとも本にしてもらいたい・・・・いがらしさんのイラストもつけてほしい・・・・」「なぎたさんのサイトに紹介されるぐらい、なぎたさんの心をうつお話しだったのかなぁ?」「私は公式の続編として出版されても良いと思います。いや、して欲しいです。」という感想が続々と書き込まれていった。 そして掲示板常連たちは問題を指摘した人物に対し「何だか荒らし的な雰囲気さえ感じてしまいます。私が敏感なのかしら・・・」と真綿に包んだ拳でタコ殴り。こっわ。 また、この当時、AAAAAの信者的ファンは「公式とは無関係なファンフィクションです」という前置きもなしに、同人系ではない一般の掲示板に「キャンディの続編があるってしってますか?」「ここでキャンディとテリィのちゃんとしたハッピーエンドが読めるんです♪」と宣伝リンクを貼りまくっていた。こっわ。 そして、こういう状況を苦々しく思う外野はYahoo!掲示板のキャンディ関連トピなどで不満をもらしていた。2chのオチスレに比べればおとなしいレベルとはいえ相当な異常事態であり、当時SNSがあったらかなりの火力で炎上していたと思われる。こっわ。 同人常識のないまま二次創作活動に参入してきたクラシック少女漫画カプ厨マダムの厄介ぶりは『小説 キャンディ・キャンディ FINAL STORY』出版後に更なる火力で発揮されまくるのだが、火種と可燃物はこの時点で大量に用意されていた……というか、この一件が『ファイナルストーリー』のだまし絵的な構成に影響しているのではなかろうか。マジこっわ。 (「テリィ復縁派」に問題行動が目立つのは単純に母数が多いゆえの悪目立ちであろうとは思うのだが、『なかよし』連載終了直後から2010年代に至るまでの様々なインタビューやエッセイで名木田氏が度々テリィのファンから「責められた」「お叱りをいただいた」ともらしているあたり、フーリガンめいたファンの言動について色々と察せられる) オタク常識からすると、既に記した通り「二次創作関連のトラブルを公式に持ち込む」「ファンサイトの問題を別のファンサイトに持ち込む」は重大なルール違反ではあるが、この状況をみた上で現実的に考えると、一般閲覧者が直接AAAAAサイトに物申しても事態が改善されるとは思えないし、それどころか信者化した常連に囲まれて袋叩きにされる可能性大だったろう、と認識を改めた私は重ねて以下の投稿をした。 情報の海の中で 投稿者:イソノ武威 投稿日:11月15日(土)13時51分09秒
(リンクうんぬん書いているのは、この一件後に問題のファンフィクサイトが「他のHPを無断で直接リンクする、画像、音楽、文章など著作権のあるものを断りなく張り付けるなどのネチケットに反する行為はお止め下さい。」という注意書きを表示し、その常連たちのサイトも右にならえで「無断リンクはネチケット違反だから禁止」になったのを受けてのことである)
本稿をまとめている2020年時点では、個人ファンサイトや個人ブログは衰退してファンフィクやファンアートは創作投稿系SNSに集約されるようになっているが、この騒動が内包していた問題点の数々は現在も他山の石として心にとどめておく意味はあるのではと思い、一連を再録した。
ファン活動・二次創作の許容範囲については、1999年時点で既に「キャンディ・キャンディを守る会: <水木杏子(名木田恵子)先生への質問と回答>」の中で明確に回答されている。
作品を愛してくださるのは作者としてうれしいことです。
2006年時点の妖精村掲示板でも「ファンフィクサイトを作ってもよいか」と尋ねる投稿者に対して同様の回答がなされている。
投稿者名: 名木田恵子
ただし、名木田/水木氏が明確に許可を出せるのは、いがらしゆみこデザインによる漫画絵の伴わない文字のみのファンフィクションに対してだけであることは留意しておいてほしい。
※(この記事は名木田恵子公認ファンサイト「妖精村」が活動再開した際に消去する可能性があります) コメントの受け付けは終了しました。
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