ビッグコミックスピリッツ掲載&単行本3巻
春の小窓<まんが編集者たちへの願い>のUPと<いきなり最終回>について ◆ 水木杏子 2001-03-10 (Sat) 17:18:32
小学館の担当編集者は講談社に仁義を通さず、漫画作画者に直接連絡し「水木さんには私が伝えておくから」という言葉を受けて漫画家に後処理を丸投げ。(懇意という程でもない「漫画家の先生」に、本来自分のすべき仕事を任せて手をわずらわせるというのもいかがなものなんだ)
その後は原作者には掲載誌の献本もしなけりゃ、単行本化の際も挨拶なし献本なし。 いがらしゆみこに献本していたかは不明。 (この件はいがらしさんが水木に連絡をしたことになっているようですが記憶にありません。しかし、その点は曖昧なのでわたしも何もいえません。)
いがらし氏が雑談の途中で話に出したのを水木氏が聞き流した等の可能性もなきにしもあらず、また、いがらし氏が悪意なくうっかり伝えるのを忘れていた、という可能性もなきにしもあらずではありますが。
……これに先立つ1991年刊行の『いきなり最終回 part3』の件がある以上、いがらし氏の「悪意なきミス」とは考えづらいのですよ。 参考:いきなり最終回part3の無断掲載 愛蔵版
キャンディ転載回が収録された最初の単行本ビッグコミックス版3巻発売は1994年11月。
いがらし水木両名が講談社と版権管理契約解除したのが1995年2月。 裁判開始が1998年1月。 この裁判は本来、いがらし氏による契約違反・キャラクター商品の無断制作販売の差し止め請求だったのですが、いがらし側弁護士のとった法廷戦術「水木には原作者としての権利はないから訴え自体が成立しない」を受けて、途中から「水木杏子の原作権の確認(キャンディ・キャンディの著作権は誰に帰属するか)」が争点になってしまった。 編集王の愛蔵版を制作していた小学館が、「このまま出すのはヤバいんじゃね」と考えて水木氏に許諾を求めてきたのが2000年秋の事。 「著作権の帰属」を巡って裁判の真っ最中という状況で、新たに作品利用の許諾なぞ出せるはずがない。 仮に許諾を受けられたとして、そうなると小学館の立場は「漫画家自身が『こいつには原作者としての法的権利がない』と公的な場で主張している対象者の許諾を得て作品利用をする」訳で、「我々小学館は、いがらしゆみこ氏の法廷での主張を否定し、水木杏子氏の権利と主張を支持いたします」と宣言するも同然になるのだが……それでもいいんかい? 最初の段階で講談社経由で仁義を通していれば、そのままスンナリ愛蔵版収録もできただろうに。 この件に関しては水木氏にはどうしようもない。 で、小学館がどうしたかというと、2000年10月発売のワイド版では問題の見開きは白紙。 更にこんな説明が。 <おことわり>
確かに許諾を出せない理由は係争中だからだけど、この書き方だと水木一人が意固地になって理不尽なつっぱね方をしたようにも読めないか?
しかも、小学館側は元々が自分達の不手際にあるというのに、許諾を求める際に印刷所を待たせてるようなギリギリの段階になってから「白いページができるとお互いみっともないですよ」と無礼な言い回しまで使ったという。 参考:水木杏子公式サイト内「まんが編集王事件」 ここは菓子折りを持って行って頭を下げるべき局面なのでは?相手の怒りに油を注いでどうするよ。今回はダメでも次の機会に…という可能性まで潰れちまうだろう。こういう馬鹿はクレーム処理部署で半年ぐらい修行積んできなさい。 小学館文庫
最高裁判決が2001年、その他複数の裁判が一応終結するのが2005年。
判決では水木氏の原作者としての権利が再確認されたので、数々の非礼に関して改めて頭を下げて許諾を求めれば収録は可能になるはずですが、2006年08月発売の小学館文庫版編集王では問題の箇所はやはり白紙。 そして説明は <おことわり>
無礼千万な記述がなくなったのは良いとして、今回はどういう経緯で白紙になったのかは書かれていない。
土田氏のあとがきにも写真の無断トレス使用に関しては反省の辞があるのに、キャンディに関しては一言もなし。 参考:アニメで英会話/台詞逆輸入 「編集王」(土田 世紀) 真の原因は編集者の雑な仕事。
本気でムカついてるので、ここからは文体がいきなりラフになりますが、個人的に腹が立つ点は二つ。
1. 編集王は「『あしたのジョー』リスペクト」を前面に押し出している作品にもかかわらず、漫画原作者の権利をないがしろにしやがった事 おまいら小学館は、梶原先生が相手でもこんなフザケタマネをしやがるのか? おまいらは『巨人の星』や『あしたのジョー』を転載利用する際にも漫画家にだけ連絡して講談社と篤子奥様はシカトするのか?言ってみろゴラ! それまでいいように使い捨てにされていた漫画原作者の尊厳と法的権利を確立する為に梶原師がどれだけご苦労なさったか、漫画業界にいて知らない訳ないよなぁ?それでこの始末か?おまいらのやった事は梶原師の尊名に泥を塗ったも同然なんだよ!ド畜生めが!(これは『いきなり最終回』も同じ) そもそも問題のエピソード自体、「スランプに陥った女編集者が自分の感動の原点であるキャンディのような作品を自分の手で世に送り出そうと決意し立ち直る」話なのに、編集者・原作者・漫画家の連携の重要性を無視する姿勢がダダ漏れのお粗末な仕事っぷりってどうなの? 2. 小学館は日頃自社作品の引用等に関してクソ煩いにもかかわらず、こんな杜撰な事をやらかした挙句開き直りやがった事 おまいらは、業界慣習で長年自由な掲載が認められてきた書影やジャケット写真にすら難癖つけるよな?なのに自分らが他社作品を利用する際の仕事っぷりはコレかよ?フ・ザ・ケ・ン・ナ!! それどころかおまいら、著作権法上自由な利用を認められてる「引用」に相当する事例まで二言目には「法的処置をとる」とか脅しをかけて権利主張しやがる癖に、自分らはコレか?舐めんな馬鹿舐めんな馬鹿舐めんな馬鹿!!!! (ちなみに問題の転載シーンは「引用」とは認めがたい利用のされ方だったので、この記事内では「転載」と表現している) まぁともかく今後新装版を出す際には、故・土田氏の名誉の為にも、小学館は菓子折り持って水木氏の処に出向いて今までの無礼の数々を詫びた上で収録許可をお願いするんですな。 「お互いみっともない」じゃなくて、テメェがみっともないんだよ!小学館!!
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